看護師による不整脈の原因・症状・治療法など徹底解説

心電図の異常で分かる QT 延長とは?

心電図に表される波形で診断します。
心電図は心臓の1拍の鼓動が波のセットとして表されます。


正常な波形は、小さな波(P 波)、大きな波(QRS 波)、中くらいの波(T 波)で構成されています。
QT時間とは大きな波(QRS 波)の始まりから中くらいの波(T 波)が終わるまでの時間を指します。
心臓は1分間に約60回拍動していますので、時間延長と言っても、0.何秒という短い時間ですね。


心筋細胞は電気の指令を受けて、収縮を繰り返しています。
QT時間の延長は「心筋細胞の電気的な回復の延長」を表しています。



QT延長症候群はなぜ危険なの?


不整脈発作が起こらなければ何の症状もありません。
日常生活に支障はなく、運動もできます。


しかし、QT時間が延長していることで、
突然、心室細動等の意識消失を起こす危険な不整脈発作を起こす可能性があります。


QT延長症候群 2つの種類


子供の時に取った心電図で指摘される、「先天性QT延長症候群
特定の薬剤使用や徐脈(脈拍が遅くなる状態)に関連しておこる「後天性QT延長症候群」です。


どちらの場合でも、遺伝子の異常が関わっていることが分かってきています。



QT延長症候群の原因 遺伝子異常とは?


心筋に収縮・拡張の命令を正しく伝えるための働きから解説します。
心筋細胞は「チャンネル」というトンネルを通して、「ナトリウム」や「カリウム」などのイオンを出し入れすることで動いています。
このため、ナトリウムやカリウムの値が異常に増えたり減ったりすることも危険な不整脈を起こす原因になります。


QT 延長症候群の患者さんでは、このチャンネルに異常があり、脈の乱れを起こすことがあります。
チャンネルを作る遺伝情報の変異が原因と言われており、手術などで治療することは出来ません。


現在では 遺伝子解析により12 種類の遺伝子変異が見つけられるようになりました。これは採血検査で分かりますが、大学病院等の施設でしか検査はできません。



QT延長症候群の原因 薬の影響とは?


薬の服用によって、QT延長が起こることがあります。
この場合、心電図検査で発見されることがほとんどで、原因となる薬剤を中止すれば改善することがあります。


代表的な薬剤は、抗ヒスタミン薬と抗生剤であるマクロライドの併用などです。
先天的にQT延長症候群の素因がある患者さんが、特定の薬を服用したことにより、より明らかになると考えてられています。



QT延長症候群の治療は?


遺伝子型やQT時間の長さ、家族歴(家族の中で危険な不整脈を起こした人がいるかどうか)等に基づいて、診断されます。


QT時間延長の原因と考えられる薬を飲んでいる場合は中止します。


基本は、薬物治療で不整脈を起こりやすくする交感神経を抑制する薬「β遮断薬」や、ナトリウムチャンネル遮断薬、カルシウム拮抗薬などの薬剤が考慮されます。


突然死のリスクが高いと判断される場合にはICD(植込み型除細動器)の手術適応となることがあります。
また、激しい運動や精神的興奮などが不整脈誘発原因となるタイプもあり、日常生活指導が行われます。


いかがでしたか?

 

QT延長症候群は知らずに過ごしていることが多い病気です。
時に危険な不整脈を起こす原因となるため、診断されるととても不安ですが、症状が無くても治療を継続することが最も大切です。


検診や病院でとる心電図ですぐにわかりますので、気になる症状がある方は受診をお勧めします。






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