看護師による不整脈の原因・症状・治療法など徹底解説

心室細動は突然死を起こす最も危険な不整脈

原因不明の突然死、急に意識を失った、その原因の一つに
「最も危険な不整脈 心室細動」があります。


40代以上の方の多くが持病として持っている「心房細動」とは全く違う不整脈で、
一字しか違わないため混乱しがちです。


心室とは、「心臓の下の方の部屋」で心臓の血液を全身・脳に送り出すポンプを担っている部屋です。



心室細動とはどんな不整脈?


心室細動とは、「心臓の下の方の部屋」である心室が無秩序に痙攣し、心臓のポンプ機能が破たんします。
そのため、全身・脳に血液を送り出せなくなります。
痙攣は細かくぶるぶると震えるように起こり、心肺蘇生処置をしないと数分以内に心停止します


脳は虚血(血が届かない状態)に非常に弱く、すぐに意識を失い、3分〜5分続けば脳死になります。


誰かと一緒にいるときに起こり、心肺蘇生を施してもらえば回復することもありますが、乗り物の運転中や睡眠中に起こればかなり死亡率は高くなります。



心室細動が起こったときの対処は?


心室細動が自然に治まり、意識を回復することはごくまれです。


意識が無い状態で倒れたら、心臓マッサージ(正しくは胸骨圧迫と言います)で心臓のポンプを動かす、自動体外式除細動器(AED)、またはモニター付き除細動器で体表面から強い電気ショックを与える以外対処できません。


このような処置を行いながら、すぐに救急車を呼んで病院に運びましょう。


心室細動の原因と予防は?


心室細動の原因には

  • 原因不明で突然起こる
  • 心筋梗塞や肥大型心筋症などの病気がある
  • 先天的な遺伝的疾患の可能性がある
  • 胸部への強い衝撃
  • 電解質(特にカリウム値)の異常

が考えられています。


「先天的な遺伝的疾患の可能性」の代表的な病気はQT延長症候群とブルガダ症候群です。


原因不明で起こる場合のはっきりとした要因は分かっていませんが、過度の飲酒・ストレス・疲労なども関係するのではないかと言われています。
「胸部への強い衝撃」で起こる心室細動は、例えば野球のボールが胸を直撃する等の原因で起こります。心臓振盪と言われます。



心室細動をあらかじめ予測するには?


心室細動 何の予兆もなく突然死するかも、と言われると激しい恐怖に襲われますよね。


毎年、マラソン大会では競技中に心肺停止となりAEDで蘇生処置が行われたというニュースが後を絶ちません。
それ自体は良い事なのですが

  • 持病があるのに無理な運動をする
  • 体調が悪いまま激しい運動をする

ことが心室細動の原因であることは間違いありませんので、たとえ趣味であっても「無理しない事」が大切です。


また、家族の中に「ぽっくり死んでしまった人がいる」「寝ている間に死んでいた」方がいる場合は要注意です。
心室細動の遺伝的要因を持っている場合がありますので、循環器専門医に相談してください。



ICD(植え込み型除細動器)とCRT-D(除細動機能付き両室ペースメーカー)


心室細動を起こしたことがある、家族歴があり心室細動を起こす可能性が高い人などが対象になります
機械は、24時間不整脈を監視し、心室細動が起これば直ちに心臓の中に植え込まれたリード線から電気ショックを送り、心室細動を止める治療をします。
これらは全自動で行われます。


ただしこれは、「おこったときの対処」であり、不整脈をでなくする治療ではありません。


つい最近まで、突然死の原因は分かっていませんでした。
意識がなくなる状態を「てんかん」と判断されることもありました。
近年、救急搬送システムや救急医療の発達により、倒れた時の心電図が取れるようになり病態が明らかになってきたのです。
また、一般市民への心肺蘇生法の普及や、AED設置が進み助かる命も増えてきています。
起ったら自分ではどうすることもできない怖い不整脈ですが、人々の協力や素早い対処が命を救います。






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